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脳のシワ

養老さんのエッセイ。

脳を中心のテーマに、死、男と女、感情、年齢、人生、自然について述べています。

かっつりくる文字数で、手際よく述べられていて、テンポよく読めて、読書の楽しみがあります。

ホント、下手なエッセイスト以上に読ませます。さくっと読んでください。

少し賢くなった気分になります。

個人的に面白かったのは、幽霊についての言。

もし、魂が人という生き物の働きだったり、エネルギー体であるなら、見えないはずである。

車が動いているのは見えるけど、スピードそのものは見えないし、熱や電気は見えない。幽霊もその態でいくなら、見えないはず。

しかし、人間は、見えないものは脳が認識できないので、「ない」ものになってしまう。

だから、いろいろ工夫を凝らして、たとえば、「半」透明になるとか、一定の衣装・服を着ているといった、幽霊の決まりを作ったわけである。

こうした幽霊を作ったことこそ、人間らしさの1つでしょ、人間のこしらえごとの証左でしょ、と養老さんは仰るわけです。

腑に落ちました!

 

・個人メモ

人は、死と同居している。

「ああすれば、こうなる病」。そんなに単純なものかよ。

能力を単純に分けることはできない。音楽の才能があっても耳の力が要るし、努力の才能もいる。

話のつじつまさえあっていれば、昔から人は納得したのだろう。

『名人弓を忘れる』


脳のシワ

< 作成日 2011/01/08 >


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