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京大式フィールドワーク入門
読めるフィールドワークの本はないのぅか、と思っていた矢先の一冊です。
フィールドワークってかなり魅力的なのですが、いざ、関係する書籍を紐解くと、調べる方法についてというのが多かったのではないでしょうか?
ぶちゃけいうと、読む魅力が少ない、と。
本書は、調査の方法論ばかりのフィールドワークから線を引いています。
実際のワークの「姿」を掴むことで、より、フィールドワークが身近になる一冊となっています。
まず、なによりも、実際のワークの現場を事細かに述べています。ですから、研究の読み物としてもおもしろく読めました。
わたくしがおもしろかったのは、第4章の「タンザニア・ムワンザ市における信用取引(マウカウリ取引)」で、経済合理性と情緒的つながりをいったりきたりする商売(コミュニケーション?)の解明は、はあはあはあと読みふけったものです。
フィールドワークの現場は、ほんとに個別的なものです。
先ほど引き合いに出した、タンザニアの信用経済の一端なんて、なーーーーーんの関係もわたくしたちにはありません。
しかし、「フィールドワーク」という学問を通過すると、「あーそういうのもありなのですねぇ」と新しい発見があるのです。
一般的な文脈で個別的な「文化・習俗」語るおもしろさとむずかしさ。
「わかる」が増えれば、「わからない」も増える。
矛盾がブレイクスルーを生む。故に矛盾の取扱は細心に。
フィールドワークのおもしろさに触れることのできる、よい一冊です。
高校生以上なら楽しく読めます。
< 作成日 2006/09/12 >
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