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データの罠−世論はこうしてつくられる
広義の「世論」がどのように作られているかを、わかりやすく解説した情報の分析本です。
新聞記事、統計、データのからくりと恣意性について述べています。難しい数式は出てこないので、問題意識や課題意識を高められます。
個人的に勉強になったのは、、、、
「これまで、結論ありき、分析結果ありきで雑誌新聞等の記事に当ってきた。しかし、それらが真であるとは決め付けられない。まずは、有効回答数の調べること。それだけでその記事の信憑性は変わる。」
「その他、誘導的で説明的な方法で調査がされているかどうか、伝聞なのか本人がそういったのかなども丁寧にみていかなければならない」
一読すると、身の回りで言われているランキングや満足度調査などが、結構な杜撰さで作られていることがお分かりいただけるかと思います。
内容は平易で中高生にも読めます。中間管理職や経営職につきたい人、もう既に付いている人は、社外調査や公的統計で判断を迫られるようになるかと思います。今のうちに、こうした本で最低限の情報の目利きをしておく事をオススメします。恥をかく前に。
記事等の見方が大いに変わってくるかと思います。
個人的に面白かったのは、資格専門学校の税理士パンフレットの年収「3000万円」説。
至極穏当に分析しております。そら売り上げだけいっとっちゃあ、あかんやん〜と思いました。あの数字は、年収=事務所収入=売り上げであって、支出・費用・経費を引き算した「利益」ではないわけです。
またこれは、有効回答数のバイアスについてもわかりやすい例です。つまり、年収がいくらかと言う質問に対し、高い人・自信のある人は答えるでしょうが、少ない人は答えないというわけで、それが正しい調査なのか、データなのか、信用に値するデータなのかは、ま、そういうことなわけです。
< 作成日 2009/12/23 >
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