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いきなりはじめる仏教生活
わかりやすい仏教の入門書です。年齢を経ていくと、冠婚葬祭があるとなぜだか仏教というものが気になってくるかと思います。
「うちは何宗だっけ?」程度の気になり方の人から、ある程度、仏教について理解している・知っている人に、最適な一冊かと思います。
一読すれば、「そういうことだったのか」となんとも頭の中がすっきりと、新たな回路ができあがったような気持ちよさを味わえるかと思います。
さて、本書は、仏教の解説・説法はもとより、仏教各宗派の概括に優れていかと思います。
禅宗→「こだわるな」
浄土宗→「おまかせします」
こんな風にまとめられると、「確かにそうだ」と頷かざるを得ません。
その的を得た言い方にびりびりとしたわたしです。この2句で読もうと思いました。
また、筆者の専門が比較宗教なので、従来では問われなかった仏教の性質が見えてくるように思います。
筆者は本書にて、近代のシステムと自我肥大の構造を見て取っていますが、そうした、時代状況のなかで、現代の仏教の意味を問い直しています。
(実を言うと「問い直せる」というのが、仏教の仏教たる所以で、これがイスラム教やキリスト教、ユダヤ教ではそうはいかないんです。)
何ゆえに苦しいのか、なぜ困るのか、そういった自分の枠組みを見直す際に、仏教は有用であると筆者は述べています。
ただ、この自身の枠組みを揺らがせ、再び作り直すというのは、危ないことでもあります。
放下といいますか、こうした仏教的な受け止め方というのは、実に危いもので、悪用しようとすればいくらでも悪用できる「機」でもあります。
よく仏教を学ぶには、良き師についてもらう必要があるといわれますが、本書にて仏教という性質を知るにつれて、そう思います。
本書でも、カルト宗教の手口やら発生原因、発生の過程、そして、それらへの注意点が述べられています。また、悪質な自己啓発セミナーやそれに準じる組織の手口などにも言及されています。
お子さんがおられる方は、一読しておいても良いかと思います。
仏教というものが近づいてきた人に、お勧めしたい一冊です。
< 作成日 2010/06/23 >
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