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成人病の真実

高血圧症、高脂血症(高コレステロール症)、糖尿病などのメジャーな病気が理解できる一冊です。

ここでいう理解とは、病気のメカニズムそのものへの理解ではなく、いわゆる世に言う成人病・生活習慣病がいかに成り立っているかについての、病気の社会的背景についての理解です。

学会でいくらでも人数の変わる「基準」の成り立ちを知っておけば、健康と言うものに対して自分から接する事ができるかと思います。

筆者は本書内で、それらのカラクリを「基準を変えるだけで3700万人の(高血圧症の)病人が生まれた」と表現しています。さもありなんです。

予防医学なり検診なりについて、患者の立場から、もっと言えば本当に自分の健康からそれらを考える事ができるかと思います。いや、いうなれば、それが医療の原点ではないでしょうか。

筆者の主張するように、余計な医療や検診制度、そしてわたしたちの医療信仰が余計に患者と病気を作っている、という指摘は読むに価します。論旨明快。

医者を信仰することなく、治療のメリットとデメリットを患者の立場から見るれるようになれるでしょう。無意識的に受け入れてきた予防医学や早期発見等の「観念」に立ち向かう知恵を手に入れてください。

「老化は病気なのか、死は病気なのか」

本書「成人病の真実」を読むことで、皆さんが上記の哲学を深める機会になればと思います。非常に勉強になった一冊です。病気に強くなるかと思います。本当に読んで損はありません。

若い人はまだ読まなくてもいいですが、30歳以降の人は読みましょう。老化と病気の違いを掴んでおけば、健康診断にびくびくしなくなります。読んで大いに利あり。



「成人病の真実」

(近藤 誠/著:文芸春秋)


< 作成日 2010/02/20 >

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